サードプレイスオフィス

働き方改革の推進により、「仕事をする場所」は大きく変化しています。新型コロナウイルスの影響によりテレワークを導入する企業が一気に増えました。 コロナウィルスの影響が長引き、オフィスに出社して働くというスタイルが見直される機会にもなりましたが、働き方は今後もさらに多様化していくでしょう。
そんな中で注目されているのが、「サードプレイスオフィス」です。 サードプレイスオフィスとは、「会社（第1のオフィス）」でも「自宅（第2のオフィス）」でもない、 「第3のオフィス」を従業員が働くことのできる空間として認めることで、“ひとつの場所に縛られない、1人にひとつの働き方を提供したい”という想いから生まれた言葉です。

■サードプレイスオフィスのタイプ・種類から選ぶ

■シェアオフィス

フリーランスやノマドワーカー、起業を考えている方の拠点として、シェアオフィスの人気が高まっています。
シェアオフィスとは、自社だけではない複数の利用者がフリーアドレス形式で使用するものです。
シェアオフィスでは、同じ空間で様々な業種の人々が働くため、新しい人脈を広げる場所でもあります。もちろんOA機器などの仕事上必要な機能も備えています。
シェアオフィスは、移動時間の短縮や外出先で仕事場の確保をしたい営業パーソンなどに向いています。

■コワーキングスペース

電源やWi-Fi接続など、仕事のための設備が整えられており、会社員でもフリーランスでも自由に出入りできることから、新しいビジネスが生まれる場所としても認知されています。 コミュニケーションが活発に交わされるため、静かなところで作業をしたいという人には向いていないかもしれません。 コワーキングスペースは企業や事業の規模に関わらず、コミュニティを形成したい人、新しい事業・アイディアを創造しビジネスに活かしたい人に向いているでしょう。

■サテライトオフィス

サテライトオフィスとは企業の本社・本拠地から離れた場所に設置されたオフィスのことを言います。本社のサテライト＝衛星のように点在するオフィスから、このように名付けられたと考えられます。 サテライトオフィスは「支社」「支店」「営業所」とは異なります。支社や支店の目的が「設置した地域での事業活動の活性化を目指す」ことに対し、サテライトオフィスは「社員が働きやすい環境を作る」ことが目的。 本社機能に比べるとコンパクトである場合がほとんどです。そのため、たとえばパソコンとインターネット環境さえあれば仕事ができる、という職業の人に向いています。外回りの多い営業職や、企画・マーケティング職、IT・WEB系職のような人に、サテライトオフィスの利用者は多いようです。

■レンタルオフィス

サービスオフィスともいい、レンタルオフィスには、あらかじめデスクやチェアキャビネット、インターネット環境、会議室、複合機など、仕事に必要な機能や設備が執務空間に用意されており、 個室でセキュリティも確保される上、入居したらすぐに仕事ができるのが魅力です。自分で事務所を賃貸する際に生ずる様々なわずらわしい手続きが不要で、高いサービス力が人気です。 ひと口にレンタルオフィスといっても、サービスや料金体系はさまざま。部屋を借りず、住所・電話番号のみを提供するバーチャルオフィスや、起業支援も行うインキュベーションオフィス、高付加価値型ビジネスモデルを持つサービスオフィスもレンタルオフィスの仲間です。

ほかにも
ワーク（仕事）とバケーション（休暇）を組み合わせた造語のワーケーション。リゾート地や観光地などの旅先をサードプレイスに、働きながら休暇をとる過ごし方で、ノートPCやスマートフォンなどを利用して、場所にとらわれずに仕事を行うスタイルです。 喧噪や無機質な都市を離れ、通勤ラッシュからも解放され、豊かな自然環境や落ち着いた雰囲気の中で働くことで創造性や生産性が高まり、有給休暇の取得率も高まります。また、滞在地にとっても交流居住による人口の増加や地元での消費に伴う経済振興につながるとして期待されています。 業務時間外は休暇を楽しめるので適度な気分転換になるだけではなく、効率やモチベーションアップにもつながります。多忙な社員も、仕事を兼ねたバケーションなら長期休暇を取得しやすく、家族との時間を増やすことができるのも魅力です。
また、最近はオフィス内にサードプレイスを設置する企業が増えています。カフェスペースや社内バー、卓球やビリヤードなどができるスペースなどです。わざわざ外出することなくサードプレイスにアクセスし、リラックスや生産性向上という効果が得られるのです。さらに、外部のサードプレイスとは違い同じ職場の人が多く集まるので、コミュニケーションの活性化が期待できます。 企業それぞれの特色を生かしたサードプレイスが生まれています。